タッチセラピーコラム 8/9|”タッチの許可を得る”とは?



許可を得る=了解を得ることが、なぜ大切なのか

子どもにマッサージをするときは、始めてもよいかどうかを子どもに聞き、必ず子どもの許可(了解)を得てから始めます。

このプロセスは、子どものためのマッサージにおいて最も大切なことのひとつです。

子どもの気持ちを確認してから始めることで、子どもを尊重する気持ちが強くなり、子どもとの間に健全な境界線ができていきます。

マッサージを始める前に同意を得る理由はたくさんあります。

● 今から何がはじまるのかを、子どもに知らせる。

● マッサージをする側が子どもの様子を確認し、観察することができる。

● マッサージを始めても良いかを聞き、了解を得てからはじめるという簡単な手順を経ることで、健全なタッチを心と体で理解し、自分と他人との【適切な境界線】を身につけやすくなる。

● お互いを尊重する気持ちが育ち、一生の宝となる自己肯定力、自尊心を育む。 


当然触れてもよいのだ、と思い込むのではなくて、確認によって触れられることを受け入れる、あるいは受け入れないという子どもの選択を尊重する気持ちを表します。

 

時間が経つと、この同意を得るやり取りがマッサージの時間だということを子どもが理解し始めます。そして、マッサージの準備ができたよという合図を送ると、 反応してくれるようになります。

発達を遂げる時期に触れることへの同意を求め始めると、適切なタッチの概念が強化されます。ポジティブで適切なタッチなのか、それとも肯定的だとは思えないタッチなのかを比較できるためです。この行動により、赤ちゃんが成長して幼児になったときに、触れ合うことについて健全で強固な境界が築かれていることでしょう。健全なタッチと、有害だと考えられるタッチの違いが分かるようになるだけでなく、自信を持ってマッサージを求めてもよい場合が分かるようにもなるはずです。



赤ちゃんにマッサージの同意を得るプロセス

繰り返しになりますが、赤ちゃんや子どもへのマッサージは、いつも施術の許可を得ることから始まります。これは、相手を人間として尊重する気持ちの表れです。たとえ幼い赤ちゃんの多くが声に出してはっきりと「はい」や「いいえ」と答えられなくても、同意を得ることで子どもの気持ちに対してさらに敏感になれます。そして、この交流によって赤ちゃんがマッサージを受ける準備が整っているかどうかを認識するのに役立つでしょう。

マッサージを始める前に自分自身がリラックスし、手と手をこすって温めます。手を温めている最中に目を合わせて、目を見ながらはっきりした声で「マッサージをしてもいい? 」と尋ねましょう。そして少し時間をおいてから赤ちゃんを注意深く観察し始めて、マッサージを始めてもよいことを示す共感の合図を出しているかを確認します。


同意を示す一般的な合図を出しているときの赤ちゃんの状態は、

❤︎ じっと座るか寝そべっており、身体の動かし方がなめらかでリラックスしています。
❤︎ 晴れやかで楽しそうな表情でおしゃべりをしています。
❤︎ 目を合わせると心地よさそうで、楽しげにやりとりをします。

マッサージをするときだけでなくほかにも楽しいことを一緒に行うときに 、 これと同じ合図が保護者の役に立ちます。この合図で、相手が刺激を受けたりやりとりをしたりする準備ができているのかを把握 できるようになります。やりとりを赤ちゃんのペースで行い、はぐくみ、気遣い、尊重することで、子どもの健全な成長と発達の向上につながります。

マッサージをすぐに受け入れてくれて、その効果がわかりやすい場合もありますが、子どもにとっても初めての経験なので不安がったり、怖がったり、いたがったりすることもあるでしょう。そのような場合は、少しずつ触れていく方法を考えましょう。


【注意点】
何より大切なのは、許可を得ることです。なので途中で眠ってしまった場合は一旦ストップ、最初から寝ている場合にはマッサージはしません。
その状態では、続けて欲しいのか、やめて欲しいのかを伝えるすべがなく、子どもから同意を得たことにはならないからです。

 



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▼タッチセラピーコラム|バックナンバー▼

第1回:子どもの睡眠とタッチセラピー
第2回:施術の同意を得る重要性
第3回:タッチの役割〜絆と愛着〜
第4回:子ども向けマッサージ・タッチを親に指導するメリット
第5回:ベビーマッサージvs小児マッサージ:何が違うの? 
第6回:子どもたちの感覚統合とタッチについて
第7回:小児タッチセラピストってどんな仕事?
第8回:ティナ先生新書「赤ちゃんのためのマッサージ」
第9回:【小児タッチセラピー】特別な診断を受けた子たちへの利点
第10回:災害時に対応する子どもへのタッチ
第11回:【Q&A】ダウン症・痛覚鈍麻・自傷行為のあるお子さんへのタッチセラピー
第12回:ベビーマッサージに関するQ&A 
第13回:医療施設でのタッチによる刺激
第14回:小児タッチセラピーにおける【5つのP】
第15回:【A Work of Heart.】に込められた、ティナ先生の想い
第16回:Don’t Quit Your Daydream!
第17回:医療現場でのタッチセラピー
第18回:「正中線を越える動き」とは?発達にどう関わる?
第19回:正中線を越える動きを促す、具体的な活動例
第20回:みんなで繋がろう!【リドルキッズ♡元気会】
第21回:子どものためのマッサージ① 基本編
第22回:子どものためのマッサージ② 成長痛への対応
第23回:環境で変わる、子どもにとっての「タッチ」
第24回:ティナ先生の日本での12年
第25回:小児病院での活動
第26回:子どものためのマッサージ③ 便秘への対応
第27回:子どものためのマッサージ④ 鼻詰まり・咳・痰のためのマッサージ
第28回:子どものためのマッサージ⑤ 頭痛に効くマッサージ
第29回:子どものためのマッサージ⑥子どもが抱えるストレスや緊張のためのマッサージ