【質問】「正中線を超える動き」について教えてください

3歳から4歳になると身体の両側を同時に使う動きを習得しますが、この動きを「正中線を超 える動き」とよびます。片方の手、足、目をもう片方の手、足、目の位置に動かすことのでき る能力のことです。私たちは肘を掻く、脚や腕を組むなどのような正中線を超える動きを日常 的に行っています。正中線を超える動きは、左右の脳の連携を発達させ、様々な運動能力や認 識能力の適切な発達のために重要です。

正中線を超える動きをするのが苦手な子どもは、読み書き、日常の身の回りのケア、スポーツや身体を使うことが苦手な場合がよくあります。これらの動きをするときには、左腕と右脚、または右腕と左脚を同時に使う必要があるからです。

「働く手」と「補助する手」の役割がはっきりしてきたら、脳が成長し側性化しているという 印です。正中線を超える動きができているということを意味します。

「働く手」と「補助する手」が支え合って能力を発揮するためには、左右の脳がコミュニケーションをとりあう必要があります。正中線を超える動きを避ける子どもは、左右のコーディネーションが苦手です。絵を描き、色を塗り、字を書き、食事をし、物を投げるときなどに、利き手がまだ定まらずに両手を使っている場合がおおくみられます。



正中線を超える動きの重要性
身体的にも、脳にとっても正中線を超える動きはとても重要です。この動きが足りないと左右の脳の連携がうまくいきません。左右の脳には、それぞれ異なった役割があるため、脳梁を通して左右が連携し、学習と動きを調整することが重要なのです。利き手で正中線を超える動きは、利き手の手先が器用になるための訓練になります。
正中線を超える動きを避けると、両手がほぼ同じ割合で動かされ、そのために利き手の発達が遅れ、手先が本来ほど器用にならないかもしれません。



両側能力が発達しない子どもへの影響
発達の遅れがある子どもの多くは、正中線を超える動きが自然にできません。取ろうとする物に近い方の手を使うことが多く、これが利き手の発達と左右の脳の連携活動の発達の遅れに繋がります。

正中線を超える動きが苦手であると、読書力が弱くなります。左右の眼球は、ページの左右を追って動きますが、正中線にくると動きを止め、まばたきをして焦点を再度あわせなくてはなりません。この時にどこまで読んだかがわからなくなってしまうことが多いのです。書くことにも影響があり、左から右へ字を書く場合、斜めの線が正中線を通過するときに紙の途中で持ち手を変えなくては書けないことがあります。

また、両手を使っている場合が多いので手先が器用にみえることがありますが、実は神経プロセスの問題をかかえているのです。左右の脳の連携が弱く、そのためにコーディネーション能力や運動調整能力が低く、上位能力を獲得するのが難しくなります。このような子どもたちは、多くの場合どちらの手も不器用です。

 
 

正中線を超える動きを促すアクティビティー
正中線を超える動きを効果的におこなうために、様々な両手を使ったアクティビティーをセラピーに組み込みましょう。以下にあげるアクティビティーは、左右の脳の交流を増やし、正中線を超える動きの発達、コーディネーション能力の改善、身体全体の機能向上に役立ちます。 両手を使うエクササイズで左右の脳を活性化しましょう。右手は左の運動皮質に管理されており、体の左側の意識は右脳の後部頭頂葉で管理されています。右手を体の左側に動かしたことを認識するために、左の運動皮質が脳梁の繊維を通して右頭頂葉と連携します。左右の脳が活発に活動し、連携しているほど左右脳のつながりが強固になり ます。

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