タッチセラピーコラム:Vol. 19|正中線を越える動きを促す、具体的な活動例

 



正中線を超える動きを促すアクティビティー

正中線を超える動きを効果的におこなうために、様々な両手を使ったアクティビティーをセラピーに組み込みましょう。

以下にあげるアクティビティーは、左右の脳の交流を増やし、正中 線を超える動きの発達、コーディネーション能力の改善、身体全体の機能向上に役立ちます。

両手を使うエクササイズで左右の脳を活性化しましょう。 右手は左の運動皮質に管理されており、体の左側の意識は右脳の後部頭頂葉で管理されていま す。 右手を体の左側に動かしたことを認識するために、左の運動皮質が脳梁の繊維を通して右頭頂葉と連携します。左右の脳が活発に活動し、連携しているほど左右脳のつながりが強固になります。



*ティナ先生が指導者養成講座にて伝授しているアクティビティー例の一部を、こちらでご紹介します。



<正中線を超える動きを促すアクティビティーの例>

■シャボン玉をわろう
片手でシャボン玉をわります。(手と反対側のシャボン玉をわることで自然に正中線を超える)

■砂遊び
砂遊びをしながら片側にある砂を反対側にあるバケツに同じ手を使って移動させます。

■ドライブ遊び
ボールをハンドルに見立ててドライブ遊びをし、ハンドル(ボール)を回して旋回するときに 正中線を超えるように促します。または、ボールを両手に持ち、旋回するときに両腕がクロス するように促します。

■懐中電灯で鬼ごっこ
懐中電灯を使って鬼ごっこをします。薄暗い部屋で寝そべり、親が壁に懐中電灯の明かりをあ てて、その光を子供に追ってもらいましょう。

■頭、肩、膝、つま先、肘あそび
子供に頭、肩、膝、つま先、肘に触れさせて遊びます。

■膝ピタ歩き
膝をあげ、その膝を反対の手(または肘)で触れて(叩いて)歩きます。それができたら同じ動きをスキップしながらおこないます。

■風車
足を開き、腕を広げて立ちます。お腹を曲げて右手で左足をタップします。お腹をもとにもど し、再度曲げて次は左手で右足をタップします。

■サムズアップ
左指を下げ、右指をあげる。次に右指を下げ、左指をあげる。これを繰り返します。

■大きなものを洗うごっご遊び
何か大きなものを洗うごっこ遊びをしましょう。両手で道具を持つように促し、その手を大きく前後左右に動かし洗うことで自然に正中線を超える動きになります。

■リボンでダンス
リボンを片手に持ちます。8の字や虹をリボン で描きながらダンスのお手本を子供に見せて、正中線を超える動きを教えます。

■手を押す
掌を合わせ、肘をつきだし、腕を水平にします。左右の掌を強く押し、5秒間そのままの状態 を保ちます。これを何回か繰り返します。このアクティビティーを簡単にして、手を叩く(あざらしのように)だけでも効果があります。

■椅子腕立て伏せ
椅子に座り、手を椅子に置き、おしりが椅子から浮き上がるところまで押します。3から5秒保持します。これができたら、足が上がるまで押せるか聞いてみましょう。


<簡単な均整のとれたアクティビティーの例>

■生地をのばす遊び
めん棒やフォームローラーを使って生地をのばす遊びをしましょう。本物の生地や粘土を使っ て実際に形が伸びていくのをみせておこなってもよいでしょう。

 

<簡単な相互作用のあるアクティビティーの例>

■音楽にあわせて踊る
音の出るシェーカーを持って音楽にあわせて振って踊りましょう。シェーカーを対照的に(同 時に上下)または相反的に(片手ずつ)に動かしましょう。

■ジャンプ
脚を同時に動かす動作は難しい動きです。まずは線の上を飛びこえて、また戻ってくることからはじめましょう。最初はゆっくりと進めて、だんだん回数を増やしましょう。

■手の上に手を
ロープを片手ずつリズミカルに引っ張りましょう。持ちやすいロープを使い、ロープを手が 「登っていく」ように動かしましょう。

■ボールパス
複数の子どもでおこないます。腕をクロスさせてボールを隣の子どもに渡していきます。ボー ルを渡すときに正中線を超えるように、最初の子どもは、ボールを持たない手を隣の子どもとつなぎます。受け取った子どもは必然的に隣にボールまわすために正中線を超える動きをします。これを繰り返します。一周したら反対方向にボールが回るようにします。

■はいはい
床にものをちらばせておき、はいはいをしながら床のものを全部集めるというゲームです。 様々な運動を取り入れる前庭(内耳にあり運動情報の処理を司る)は、子どもの身体的発達にとても重要な役割を果たします。


●前庭の運動情報処理が困難で左右の統合が適切にできない子どもには、セラピーセッション中 に運動をとりいれるとよいでしょう。

★運動の例:
・小さいトランポリンやバランスクッションを利用してジャンプをする
・小さなマットやタオルを使い、ころがって海苔巻きのように包んで遊ぶ
・芝生の上でおこなうのもよい
・バランスボールやブランコ(前庭を刺激する効果的な方法)


★ボールやビーンバッグを利用したアクティビティーの例:
ボールやビーンバッグを利用したゲーム感覚の遊びは、正中線を超える動きを促します。 膝をついて、または床に脚を組んで座り、腰と脚を安定させたうえで腕を動かして、正中線を 超える動きをしましょう。

キャッチボールボールを受け取る側が、キャッチをするときと投げるときに自然に上半身を動かすことができるよう、投げる人が直線から少し横に立ち、ボールを投げましょう。 左右両サイドおこない、徐々にボールを投げる角度をつけていくことで正中線を超える動きが 大きくなります。

簡単なリレー膝をつくか床に脚を組んで座る姿勢をし、両手で物を受け取り渡すリレーをします。

ボールパスをする子ども2人でおこないます。お互いの背中をあわせてボールを渡しあいます。 他の大きな動きをする前に、ウォームアップとして左右それぞれ5回ほどおこなうのも良いで しょう。

的をめがけて投げる座った姿勢でおこないます。投げたときに的に対して手が正中線を超えるように座り、的をめがけて利き手で物をなげます。

 


 

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▼タッチセラピーコラム|バックナンバー▼

第1回:子どもの睡眠とタッチセラピー
第2回:施術の同意を得る重要性
第3回:タッチの役割〜絆と愛着〜
第4回:子ども向けマッサージ・タッチを親に指導するメリット
第5回:ベビーマッサージvs小児マッサージ:何が違うの? 
第6回:子どもたちの感覚統合とタッチについて
第7回:小児タッチセラピストってどんな仕事?
第8回:ティナ先生新書「赤ちゃんのためのマッサージ」
第9回:【小児タッチセラピー】特別な診断を受けた子たちへの利点
第10回:災害時に対応する子どもへのタッチ
第11回:【Q&A】ダウン症・痛覚鈍麻・自傷行為のあるお子さんへのタッチセラピー
第12回:ベビーマッサージに関するQ&A 
第13回:医療施設でのタッチによる刺激
第14回:小児タッチセラピーにおける【5つのP】
第15回:【A Work of Heart.】に込められた、ティナ先生の想い
第16回:Don’t Quit Your Daydream!
第17回:医療現場でのタッチセラピー
第18回:「正中線を越える動き」とは?発達にどう関わる?