タッチセラピーコラム:Vol. 26|子どものためのマッサージ③ 便秘への対応
赤ちゃんや子どもはどのようなときでも消化不良を起こすことがあり、 便秘も多くみられます。多くの人が生きているうちにいつかは便秘を経験しますが、子どもの場合、便秘によってかなりの不快感が生じます。
子どもの便秘や腹部不快感は、アイスクリームや甘いものの食べ過ぎだけでなく、ストレス、不安、栄養不足などからも生じます。また、入院している子どもや車椅子を使っている子どもにも便秘はよくある症状です。 おなかのマッサージは、便秘や腹痛に対処するうえでも有益で、効果的なことが分かっています。
マッサージは、子どもの腸の運動性を増進して、腸により多くの水分を供給し、消化器系からの老廃物の排出を促進するのを助けます。 施術者が子どもの保護者ではない場合は、マッサージを始める前に、基礎疾患がないこと、病院で診てもらっているかどうかを必ず確認してください。
注意点は以下になります。(その後手順に続きます)
★ まずは部屋を十分に暖めておいてください。
★ リラックスしてもらいます。そして、施術者は両手をこすり合わせて温めます。
★ マッサージを始めていいか尋ねます。その際は目を合わせ て、「マッサージをしてもいい ?」と話しかけましょう。
★ 子どもを仰向けに寝かせてマッサージを始めてください。
※他の体勢でもできますが、ストロークの向きは必ず守りましょう。
★ 常に子どもの消化管の向きに沿って行ってください。大抵、子どもの右側から左側に向かう時計回りの動きになります。
★ お腹にマッサージする場合は、子どもが食事を済ませたあ と、約30分待ってから行います。
★ 子どものお腹の柔らかい部分、つまり胸郭よりも下の部分にマッサージを行います。剣状突起に注意してください。
★ 過度に強く押したり、深く押したりしないようにします。
★ 子どもがやめることを求めたり、不快感の徴候をみせたりする場合は、すぐにマッサージをやめてください。
【触れ方(愛情のこもったタッチ)】
愛情をこめて優しくおなかに手を置きます。
【太陽】
子どものお腹の12時の位置に左手を置き、時計回りに大きく円を描くように動かします。
【月】
右手で子どものお腹の12 時の位置から6時の位置まで半円(月の形)を描きます。
【虹】
子どもの右側(あなたの左側)から子どもの左側(あなたの右側)まで、大きな虹を描きます。必ず時計回りに動かすことを忘れないでください。
【星】
指先の腹を使って、子どもの右側から左側まで虹の形を描きながら、子どものお腹を優しく横切ります。
【心地よくなでる(やすらぎのマッサージ)】
お腹を優しくなでおろして、マッサージが終わるという合図をします。
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小児マッサージが役立つかもしれない─ 。私たちがそう思っても、マッサージをするのは子どもの許可が得られたときのみに行ってください。リラックスした状態で受けたほうが、マッサージの恩恵をたくさん受けられるからです。
マッサージは、 衣 服の上から行ってもかまいせんし、肌に直接オイルを塗って触覚を刺激してもかまいません。色柄が控えめな布をかけて、不必要に肌を露出させないように注意します。肌と肌の接触で生じる暖かみは、リラクゼーションや便秘の軽減、ガスの排出、そして腹痛の緩和にも非常に役立つことが多くあります。
上記の画像にまとめたテクニックを用いて、優しくマッサージを行い、不快な症状をやわらげてあげましょう。
ティナ先生著「子どものためのマッサージ」では、
子ども向けのマッサージについて
理論と手技がイラスト付きで詳しく、
わかりやすく記載されています。
内容は教科書並みのボリュームですが、
親しみやすいイラストと
親子で楽しめる「ストーリータッチ」などで
小さなお子さんにも人気の一冊です!
「子どものためのマッサージ」詳細をみる
第1回:子どもの睡眠とタッチセラピー
第2回:施術の同意を得る重要性
第3回:タッチの役割〜絆と愛着〜
第4回:子ども向けマッサージ・タッチを親に指導するメリット
第5回:ベビーマッサージvs小児マッサージ:何が違うの?
第6回:子どもたちの感覚統合とタッチについて
第7回:小児タッチセラピストってどんな仕事?
第8回:ティナ先生新書「赤ちゃんのためのマッサージ」
第9回:【小児タッチセラピー】特別な診断を受けた子たちへの利点
第10回:災害時に対応する子どもへのタッチ
第11回:【Q&A】ダウン症・痛覚鈍麻・自傷行為のあるお子さんへのタッチセラピー
第12回:ベビーマッサージに関するQ&A
第13回:医療施設でのタッチによる刺激
第14回:小児タッチセラピーにおける【5つのP】
第15回:【A Work of Heart.】に込められた、ティナ先生の想い
第16回:Don’t Quit Your Daydream!
第17回:医療現場でのタッチセラピー
第18回:「正中線を越える動き」とは?発達にどう関わる?
第19回:正中線を越える動きを促す、具体的な活動例
第20回:みんなで繋がろう!【リドルキッズ♡元気会】
第21回:子どものためのマッサージ① 基本編
第22回:子どものためのマッサージ② 成長痛への対応
第23回:環境で変わる、子どもにとっての「タッチ」
第24回:ティナ先生の日本での12年
第25回:小児病院での活動