タッチセラピーコラム5/9|タッチセラピストのリハビリ例① 心臓術後のエミリー(7歳)

 

前回のコラムでは、医療現場でのタッチセラピストの重要な役割についてお話をしました。

アメリカのシュライナーズ小児病院のリハビリテーション病棟では、治療を終え回復過程にある小児患者に向けて入院・外来両方でタッチセラピーをリハビリプログラムの中に取り入れています。また、それぞれの専門家によるチームを編成し、子どもたちが身体能力を取り戻すだけでなく、心のケアも受けられるよう協力しています。

今回から2回にわたり、この病院での小児タッチセラピストの素晴らしい仕事ぶりと、タッチの力が子どもたちのその後の生活にも与える影響について、心温まる2つのストーリーを紹介します。

ケース①|心疾患を抱えたエミリー

エミリーは7歳の女の子で、先天性心疾患の手術を受けました。

術後、エミリーは理学療法士、作業療法士、小児タッチセラピストによるチームが計画した小児リハビリプログラムに参加しました。

⚫︎身体の状態の改善
小児タッチセラピストは、タッチとマッサージの手技を組み合わせることで、エミリーの術後の痛みや不快感を軽減し、全身の状態を改善させました。マッサージによって筋肉の緊張が和らぎ、その効果は理学療法士が計画したリハビリにも役立ちました。また、タッチの鎮静効果により、エミリーは運動機能のリハビリにもより集中できるようにもなり、運動能力も大きく改善されました。

⚫︎心のケア
タッチセラピーは痛みを和らげるだけでなく、リラクゼーションを促進します。タッチセラピストによる施術はエミリーの術後〜回復過程に伴う不安を取り除き、ストレスレベルを軽減する効果もありました。

⚫︎家族へのケア
小児タッチセラピストはエミリーに働きかけるだけでなく、エミリーの家族にも退院後自宅でできるストレッチやリラクゼーションの方法など、リハビリをサポートするテクニックを伝授しました。エミリーの両親もリハビリに巻き込むことで、我が子のケアと回復に両親が積極的に関わっていけるようサポート環境を整えたのです。

⚫︎チームで動くからこそ
小児タッチセラピストは、エミリーの術後の心身の回復に重要な役割を果たしました。タッチセラピスト、理学療法士、作業療法士がチームとして計画・施術したことで、結果的にエミリーは身体的にも精神的にも充実したリハビリプログラム受けることができたのです。

大きな手術を受けたエミリーの回復への道のりは、長いものでした。


それでもエミリーのケアに携わった医療従事者たちと家族の協力により、彼女のリハビリテーションは包括的かつ効果的なアプローチとなりました。

▶️ 次回は、脳性まひのジェームス(5歳)のリハビリプログラムについてご紹介します。

 


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