タッチセラピーコラムVol.5|ベビーマッサージ vs. 小児マッサージ:何が違うの?


ベビーマッサージと小児マッサージの違いとは?

この二つのマッサージに違いがあるのでしょうか? 
違いは、あなたが小児とベビー(乳児)という用語をどのように定義するかによります。もしあなたが小児科または医療機関で働いていたら、【小児】は生まれた時からだいたい18歳までのすべての患者さんに使われる包括的な用語だと言う人もいるかもしれません。

またそのほかには、現場で【小児】と一括りにするのではなく、ベビー(乳児)のカテゴリーは0ヶ月から12ヶ月に限られていて、異なる段階のケアが都度必要だという考えを持っている専門家もいます。

マッサージセラピーにおいては、ベビーマッサージと小児マッサージではいくつかのはっきりと明確な違いがあります。

ベビーマッサージとは?

ベビーマッサージとは赤ちゃんとコミュニケーションをはかり、心が触れあう為に、愛情のこもったタッチをする昔ながらの方法です。マッサージは子供と、子供の世話をする人の相互の信頼と理解を育む助けになります。

タッチ(触覚)は、赤ちゃんが子宮にいるときから生じるものであり、また、感覚の中でも中心的な役割を果たしています。                                       生まれたときに最も発達している感覚であり、お母さんとのはじめてのコミュニケーション手段となります。
触覚の知覚情報は、その他の感覚器官(嗅覚、味覚、聴覚、視覚)に重要な役割を担っています。   

また人類は、タッチによって繁栄してきたとも言えるでしょう。
子どもが求めているスキンシップ、愛情、安全、刺激、運動といった欲求を満たすためには、健全で、赤ちゃんへの愛情のこもったタッチが必要なのです。

赤ちゃんが健康的に発育するためにもタッチは重要と言えます。                                                                             
子どもの頃に、沢山のタッチを受けたかどうかで、成長してからの精神的バランスや身体的な強さ、健康的な人生を送れるかどうかに影響してくるのです。

ベビーマッサージは、このタッチの力により、親やお世話をする人に、赤ちゃんと、愛情、安らぎ、育児のコミュニケーションをする機会を提供することができます。                                                    

タッチは非常に簡単でありながらも、愛していること、気にかけていること、注意していることなどを伝えるための大変重要な役割を担っているのです。

認定されたベビーマッサージ講師は、指導者として赤ちゃんの両親や保育者にマッサージのテクニックを伝授し、赤ちゃんのそれぞれのキュー(合図)を理解する方法、またその後の発達だけでなく、むしろその子の人生そのものにより良い影響を与え続けるコミュニケーションの術を伝えます。

臨床研究では、赤ちゃんをマッサージすることによって健康的な成長と発達を助け、一般的な不快感を和らげ、赤ちゃんの安らかな睡眠を促し(これによって世話をする人も休みが取れます)、そして、健康的な結びつきと触れ合いを深めることが出来ることが明らかになっています。

また、マッサージを受けた赤ちゃんは体重が増え、免疫機能が改善し、ストレスホルモンが減少することが証明されています。両親が行うマッサージによって、赤ちゃんは最適な神経機能と消化機能の改善を体験出来る可能性があります。ベビーマッサージセラピーによってもたらされる効果は、適切な感情的発育、認知発達、身体発育を促すために必要とされているものです。

小児マッサージとは?

入院している子供や、消耗性の病状を患っている子供がマッサージセラピー(タッチセラピー)によって恩恵を受ける可能性があることは、多くの方が想像すると思います。しかし、健康な子供にも、同じくらい小児マッサージセラピーを受けるべき理由があります。

子供たちは、自身の最大の可能性に成長、到達するために愛情のこもったタッチを必要としています。マッサージによって、私たちは子どもの健やかな成長はもちろん、快眠、ストレスの減少、成長痛をも和らげることが出来ます。

マッサージセラピーの研究者によって行われた研究で、一般的な成長をしている子供への効果が報告されています。これには集中力の向上、焦点の定まり、そして攻撃性の減少などを含めた利点が含まれています。

ある研究者達は、マッサージセラピーを定期的に受けた子どもの知能指数(IQ)が上がる可能性があることも報告しています。

一方で医療ケアを必要とする、また障害を持つ子供へのマッサージの効果も年々多数報告されています。

研究によって、小児患者の病状に伴う身体的症状と、感情面の苦痛の両方をマッサージセラピーによって緩和することが出来ることがわかっています。

例としては:
– 軽度から中度の若年性間接リウマチを患った子供は、マッサージを受けた後すぐに、不安が軽減し、ストレスホルモン(コルチゾール)のレベルが下がった
– 自閉症の診断を受けた子供は、マッサージにより触られることへの当初の嫌悪感が薄くなり、一方で集中力が高まった
– 嚢胞性繊維症の小児患者は不安な気持ちが軽減し、呼吸能力と肺機能が向上した

ベビー、及び小児マッサージをどのようにあなたの活動に組み入れるか

ベビーマッサージ、小児タッチセラピーの習得はともにあなたの専門性を高め、活動幅を大きく広げます。

ベビーマッサージ指導者(CIMT)になることにより、両親が我が子に自信を持ってマッサージを行えるように、理念・最新の情報・テクニックに加え、実践的なセラピーレッスンを提供することが出来ます。

保護者に適切なマッサージの方法を教える際、私たちは保護者が子供とのつながりを更に強めるための、その方法と技巧を教えます。また同時に、子供を落ち着かせ、寝かしつける助けのほかにも、生歯、詰まり(鼻づまりなど)、そして便秘などの子供によくある不快感に対処するためにマッサージも指導していきます。

何より、この触れ合いを通して一生続く相互の尊敬、コミュニケーション、そして理解を促進し、サポートします。

 

小児マッサージには、安全と知識が重要です。子供のクライアントは大人と同じでただ小さいだけ、という一般的な思い違いがありますが、これは全く正しくありません。発育上考慮すべきことが沢山あります。

医療現場、療育現場、個人の教室など、あなたの仕事に小児マッサージを取り入れようとする場合は、小児マッサージ(タッチ)セラピストとしての認定を受けることが必要です。

小児マッサージでは、子供により良いタッチ、行き届いたケアを施すため、根拠に基づいた技巧を使います。子供は学校などの集団生活からのストレスや不安を和らげるため、又は、特定の病状による痛みを最小限に抑えるための手段として、安全で愛情の込められたタッチを必要としている場合が多くあります。

小児マッサージ(タッチ)セラピストは、子供が安全、そして尊重されていることを感じ、愛情のこもったタッチを受け入れるのにオープンになることを促進するたのコミュニケーションと触れ合い方法を使用します。

 

多くのマッサージセラピストは、自身が持つ技術を専門化する方法を探していて、たびたびこの二つのセラピーの手法(ベビーマッサージと小児マッサージ)を組み合わせ、赤ちゃん、子供、そして家族にとって最高の体験を作り上げます。だからこそ、ベビーマッサージ、小児マッサージの分野はとても奥深いのです。

昔には知られていなかったこの二つの手法が、現在、主要な医療的信頼を得始めています。この受け入れによって、マッサージセラピストが自身の情熱を追求し、活躍の場を広げることが出来るようになっています。


国際リドルキッズ協会で受けられる小児マッサージの認定講座「小児タッチセラピー指導者養成講座」では、健常な子どもたちに加え、医療ケアが必要な子供達の症例・症状別のタッチとその指導法について網羅しています。

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(注意:こちらは指導者養成講座ではなく、セラピスト認定は受けられません)
第1弾:小児タッチセラピー →詳細をみる

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