タッチセラピーコラム3/19| スクリーンの使用時間が子どもに与える見えない影響:なぜ少ないほうがいいのか?
デジタル時代に突入し、スマートフォン、タブレット、パソコン、テレビなどの電子機器は、私たちの日常生活に欠かせないものとなりました。
電子機器は、情報へのアクセスのしやすさなど多くの利点がある一方、過剰なスクリーンタイムが子どもたちの健康や発達に与える影響についての懸念も指摘されています。
過剰なスクリーンタイムの悪影響
調査によると、過度なスクリーンタイムは子どもたちの心身の健康に、次のような悪影響をおよぼす可能性があると指摘されています。
身体面
- 長時間のスクリーンタイムは座りっぱなしになることが多く、肥満の原因となる可能性
- 姿勢の悪さや筋骨格系の問題を引き起こす可能性
- スクリーンから発せられるブルーライトを長時間浴びることで視力が低下する可能性
精神面
- スクリーンから発せられるブルーライトにより、睡眠の困難(自然な睡眠・覚醒サイクルを妨げる)を引き起こす可能性
- 子どもたちが面と向かって社会と接する機会を制限するため、情緒的・社会的な問題を引き起こす可能性
また「不安、抑うつ、注意力の問題」を引き起こすという研究結果もあります。
脳と神経系への影響
主に「報酬処理、注意力、感覚統合に関連する脳の領域」において、子どもの脳の発達に大きな影響を与える可能性があります。
注意欠陥の問題につながる可能性
デジタル機器から受け取る、テンポが速く派手で頻繁に変化する刺激は、自然環境にあるものよりもはるかに強烈です。
この刺激の強さは脳の報酬系を活性化し、神経伝達物質ドーパミンの放出を引き起こします。
脳は、時間が経つにつれて、このようなドーパミンの急増に慣れてしまいます。
スクリーン外での普段の生活は、スクリーンから与えられる刺激にはかないません。
デジテル機器による脳や神経系への影響がつづくことで、注意欠陥障害などの問題につながる可能性があるのです。
前頭前皮質へ影響する可能性
過度なスクリーンの使用は、批判的思考や論理に関わる脳の領域、前頭前皮質に影響を与える可能性があります。
前頭前皮質は、衝動の制御、意思決定、感情の調整、タスクの完了に不可欠であり、過度なスクリーンの使用によってその発達が損なわれると考えられているのです。
スクリーンタイム制限の重要性と利点
これらの潜在的なリスクを考慮すると、子どもたちに健康的なスクリーンタイムの習慣を身につけさせることは極めて重要です。
スクリーンタイムの制限には主に次のような内容に役立ちます。
- 「肥満」や「視力障害」といった身体的な健康問題を予防
- 睡眠パターンを改善
- 精神的な健康問題のリスクを軽減
- 子どもたちの発達の基礎となる、体を使った遊び、対面での社会的交流、創造的な探求の時間を増やせる
- 問題解決能力、社会的相互作用、感情的回復力など、重要なライフスキルを身につける機会も増える
- 子どもたちがより多くの環境に関わり、好奇心を育み、デジタルの世界を超えた学びへの愛を促進
なぜタッチセラピーなのか?
タッチセラピーは、多くの身体的および心理的な利点を提供し、スクリーンタイムに対する力強い代替手段となり得るでしょう。
タッチセラピーに関係する主な神経伝達物質は「セロトニン」と「ドーパミン」で、どちらも気分の調節に重要な役割を果たしています。
セロトニンはしばしば「幸せホルモン」と呼ばれ、気分、社会的行動、食欲、消化、睡眠、記憶を調整するのに役立ちます。
一方、ドーパミンは「快感ホルモン」とも呼ばれ、喜びや満足感に関係しています。
タッチセラピーは、セロトンやドーパミンなどの神経伝達物質の生成を刺激し、幸福感とリラックス感を促進することができるのです。
また、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを下げられるでしょう。
このように、タッチセラピーは、子どもたちがストレスや不安にうまく対処し、気分を改善し、穏やかでリラックスした感覚を促進するのに役立ちます。
さらに、タッチセラピーは子どもたちの感覚の意識を向上させ、自分の体や環境とのつながりをより強く感じられます。
タッチセラピーは、子どもの情緒的・社会的発達に不可欠な、より強い安心感と愛着を促し、心地よく成長する体験を提供できると言えるでしょう。
まとめ
スクリーンタイムは、学習や娯楽といった利点をもたらす一方で、身体的な遊びや社会的交流、休息といった必要不可欠な活動に取って代わらないようにすることが重要です。
ホリスティックなアプローチとしてのタッチセラピーは、神経伝達物質の産生を刺激し、子どもの生活に有益で健康的なバランスをもたらします。
親の指導と模範的な行動もまた、子どもとテクノロジーの関係を形成する上で重要な役割を果たします。子どもへの対応をぜひ気をつけてみてください。