タッチセラピーコラム 11/14|ベビーマッサージと小児へのマッサージのちがいについて考えてみましょう
小児とベビーが表す意味
病院において「小児」とは、出生から退院年齢(多くの場合18歳)まで、総称的に患者を意味する言葉として使われることも多いはずです。
一方、「乳児」は、生後0-12ヶ月に限定されます。
年齢区分が表す通り、「小児」と「乳児」では異なったケアがたびたび必要だと考えられます。
ベビーマッサージと小児マッサージの違い
タッチセラピーの観点からは、「ベビー」マッサージと「小児」マッサージには明らかな違いがいくつかあります。それぞれのマッサージの概要とその効果をみることで、違いがわかるでしょう。
ベビーマッサージとは?
ベビーマッサージは、赤ちゃんとのコミュニーケーションと絆を深めるために昔からあるものです。
保護者と子どもとの間に、相互に信頼や理解を育むのに役立ちます。
ベビーマッサージは、健康な赤ちゃんに関しては、生後3週間をすぎた頃からはじめられます。保護者は、可能な限り早く、赤ちゃんに対して愛情あるタッチをすべきだと考えます。
未熟児で生まれた赤ちゃんの場合は、マッサージに関して特別な技術を要することを忘れてはなりません。
通常ベビーマッサージは、指導者からトレーニングを受けた保護者が行います。
ベビーマッサージの指導者は、赤ちゃんとのコミュニケーションを理解し、また赤ちゃんの発達を促す技術を保護者たちに教えます。
ベビーマッサージの主な効果
臨床研究によれば、主に下記内容が実証されています。
- 健やかな成長と発達を助ける
- 一般的な不快症状を和らげる
- 赤ちゃんの(ひいては養育者)の安眠を促す
- よりよい愛着と絆を深めることができる
またマッサージを受けた赤ちゃんは
- 体重が増加
- 免疫機能が向上
- ストレスホルモンが減少する
とも証明されています。さらに保護者がマッサージを行うことで、赤ちゃんは
- 神経機能の最適化
- 消化機能の改善
も図れます。以上の効果から、ベビーマッサージで得られる利点は、子どもの適切な「感情」「認知」「身体」の発達のために必要なものと言えるでしょう。
小児マッサージとは?
子どもたちが成長し、潜在的な能力を最大限に発揮するために、愛情あるタッチは欠かせません。
入院しているもしくは、難病だと診断された子どもだけではなく、健康な子どもにもマッサージの恩恵はあるのです。
小児マッサージの主な効果
小児へのマッサージは、
- 子どもたちの安眠
- ストレス軽減
- 成長痛の緩和
をサポートできます。またマッサージセラピーの研究によると、
定型発達している子どもにとっても
- 集中力の増加や向上
- 攻撃性の減少
などの利点が報告されています。
小児マッサージのさまざまな効果
- 子どもへの定期的なマッサージが、知能指数(IQ)の向上につながるという、研究者もいます。研究では、小児の医療疾患からくる身体的な症状および感情の不快感を和らげるのにマッサージが有効だと示しています。
- 自閉症の子どもたちは、ストレスホルモン(コルチゾール)のレベルが低下します。そしてタッチに対する嫌悪感が減少し、集中力が増すのです。
- 嚢胞性線維症の小児患者は、不安感が減少し、呼吸と肺機能が向上します。
- 軽度から中等度の若年性関節リウマチの子どもは、不安感が減少すると言います。
ベビーマッサージと小児マッサージを実践する方法
ベビーマッサージと小児マッサージともに、子どもたちの生活に対し、愛情あるタッチや子どもへの尊重を提供するのはもちろん、タッチする人の成長にもつながります。
ベビーマッサージの実践について
ベビーマッサージの指導者は、マッサージに必要な知識や実践を提供し、また保護者が自信をもって子どもをマッサージをするのをサポートできます。
保護者にマッサージを指導することは、保護者と子どもが絆を深めるために大変役立つのです。
同時に保護者は、マッサージにより子どもを快適にし、睡眠プロセスを助け、歯が生えるときの不快感や鼻づまり、便秘などの子どもによくある不快感への対処する方法を学びます。
保護者にマッサージのてを伝えることで、生涯にわたる親子間での互いの尊重や良好なコミュニケーション、また理解を促します。
小児マッサージの実践について
小児マッサージにおいて、安全性と知識は不可欠です。
小児のクライアントは大人と比べるとただ小さいだけという誤解がありますが、発達のちがいを考慮しなければいけません。
また現在スパやクリニックを個人開業している方や、医療的な分野でキャリアを広げたい方が小児マッサージの技術を手にしたい場合、資格取得は不可欠でしょう。
小児マッサージは、ストレスや学校のいじめに関連する不安を和らげる手段として、また特定の医療診断を受けた子どものケアのためなど、健康的なタッチを必要とする子どもへの最良のケアを提供できるでしょう。
小児マッサージは、子どもたちが安全で尊重されていると感じ、愛情あるタッチを受けることに心を開くことができるよう、独自のコミュニケーションとつながりの方法を用いて行います。
まとめ
現在子どもたちと関わる、医療従事者などの専門職の方々は、子どもたちとその保護者たちに最良の体験を提供するために「ベビーマッサージ」と「小児タッチセラピー」、2つの方法をうまく組み合わせています。
ベビーマッサージと小児タッチセラピーは、いずれも医学的信頼性を獲得するなか、エキサイティングで成長している分野と言えるでしょう!
ぜひ資格取得を迷われている方は、新たな一歩を踏み出していただければと思います。
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