タッチセラピーコラム6/20|【元気会レポ①】自閉症タッチセラピーはこんなに役立つ!

 
 
6月15日に、卒業生および未受講生さんも含めた
オンライン交流会【リドルキッズ♡元気会】が開催されました。

テーマ:自閉症タッチセラピーの実践

自閉症タッチセラピー指導者養成講座の受講生・卒業生さんや、発達に特性を持つ子どもへのタッチに興味を持つ多くの方達が全国から集まりました。

今回、ゲストスピーカーとして活動報告をしてくださった卒業生さんは、自閉症タッチセラピストであり、放課後等デイサービスで児童指導員としてタッチプログラムを担当されている佐藤みどりさんです。
 

 

みどりさんが勤務する放課後デイサービスでの、タッチセラピーの具体的な活動例、タッチを経験したお子さん達の反応・変化のエピソードについてやデータなど、とても丁寧にご紹介いただき、非常に貴重な機会となりました。

また、同じようにタッチを広げる活動をしている仲間達からもみどりさんへのご質問が数多く届き、それらにも一つずつお応えいただきました。

<下記の画像の転載・転用・複製を固く禁じます>

 

放課後デイサービスでのタッチプログラム

みどりさんの事業所では、毎回10分〜15分ほどのタッチプログラムを、月に2、3回取り入れているそうです。

プログラムの流れとしては、国際リドルキッズ協会代表のティナ・アレン先生による「基本の6つのタッチ」を行った後、主に絵本やストーリータッチを通して触れ合いの時間を作っています。


例:お天気のタッチ
(ティナ先生のストーリータッチより)

<下記の画像の転載・転用・複製を固く禁じます>
(佐藤みどりさん活動報告 2024)

 

子ども達に「タッチ」をどう伝えるか

子ども達には、タッチをすると「みんなにどんな良いことが起きるのか」、絵を使ってわかりやすくシンプルに伝えているそうです。

また、ティナ先生からの大切な学びにもある

・(触れる相手の)許可を得ることの大切さ
・タッチを無理に受ける必要はなく、嫌な時は「嫌だ」と言っても良いこと

この2点も、まず最初に子ども達に伝えています。

 

<下記画像の転載・転用・複製を固く禁じます>(佐藤みどりさん活動報告 2024)


とはいえ、全員が喜んでタッチプログラムに参加しているというわけではないそうで、特に高学年になってくると、恥ずかしがる子も増えてくるのだそう。


そんな中でも、プログラムの終わりに、他のお子さんたちにコッソリタッチをしている子や、普段は参加しない子が、別の場でかんしゃくを起こしているお友達の背中にそっとタッチしていた、など
多様な参加の仕方があるのだと、みどりさんはおっしゃっています。

さらに、タッチセラピーは、受けている人よりも施術している方がオキシトシンがより多く分泌されるとも科学的に証明されています。
タッチやマッサージで自身の優しさを表現できるようになる子も多いのですね。

 

みどりさんがタッチを取り入れる中で感じていること

”自閉症だから・・・、ADHDだから・・・、ではなく、特性のあるなしに関わらず、どんな子も好きな感触、苦手な感触はあるもの。
「タッチは嫌、触られるのは苦手」と最初は言っていても、体のどの部分ならOKなのか、どう触ったら受け入れてもらえるのか、焦らずに探っていくのが大切。

そして、タッチの力と子ども同士の力、両方がとても大きいのだと感じています。”

 

みどりさんに寄せられたQ&A(一部抜粋)

💟 導入するにあたりスタッフにどのように理解を得ましたか?

児発管の方から依頼され、その後スタッフに対して研修を行いました。導入前から私が時々お子さんにタッチをしていたのをみんなは見ていたので、お子さん達に「マッサージしてもらって気持ちよさそうだね」と声をかけていました。
私がしていたタッチは、実は「気持ちがいい」だけではなくて、科学的なエビデンスがあるものだということを説明しました。

タッチセラピーの活動は職員の方に手伝ってもらうことになると思うので、事前に「触ってもいいですか?」と必ず聞く、手はゆっくりと動かす、このタッチはどういう効果が望めるのか等、簡単に説明されたほうが良いかと思います。

また職員の方によっては、(30代男性である自分が)子どもに『触っていいですか?』と聞くのは抵抗があると聞いたこともあり、プログラムを始める時に「タッチに参加する人ー?」と聞いて、参加する人はOKという意思有りと判断しています。

 

💟 用意しておいた方が良い、または、お勧めな感覚グッズはありますか?

特に用意している物はありませんが、重い毛布やフリースの毛布が好きなお子さんがいらっしゃいますのでそれを使うくらいです。多動のお子さんはバランスディスクに座ってもらうというのは有効かも。
マンツーマンでするなら腕の下に入れるクッションなど、そのお子さんの好きな感覚グッズを用意してあげると良いのではと思います。

 

💟 触れられるのが苦手な子や、初めてタッチをする子に、どんなふうにしてタッチのイメージを伝えればよいでしょうか。

私はお子さんがたくさん居る中でタッチをしているので、お子さんは様子をうかがって見ています。
そのうちに友だちの様子を見て、安心して自分もチャレンジ出来ているように思います。
子ども同士の力は大きいです。

個別に対応するのであれば、お母さんにタッチをしてあげるのを見てもらえば良いのではないでしょうか?お母さんが安心して楽しそうにタッチを受けているのを見れば、お子さんにもイメージが湧きやすいと思います。

触られるのが苦手なお子さんは時間をかけて慎重に向き合っていく必要があると思います。コミュニケーションが取れるならどこなら触っていいか、どんなタッチならイヤではないか、じっくり探っていくのが良のでは。
 
 

💟 中高生にもタッチは有効ですか?

もちろん有効です !うちの事業所のお子さん達も大好きです。私の息子も小さい頃にタッチしていたので、普段触るのは嫌がっても高校生や大学生になってもタッチやマッサージだけは抵抗がなくて、むしろやってという感じです。
息子の友人まで、高校受験の頃は「疲れた」とタッチ&マッサージをしてもらいに我が家に来ていてそのお子さんのお母さんに感謝されました。

 

💟 言語理解が難しい方にも、どのようにされているか教えていただきたいです。

私はうちのお子さんを見ていて、言葉の表出がなくてもこちらの言葉はとても良く理解していると思っています。私自身は言葉に出来ないだけで、皆尊い心と言葉を秘めているという信念を持って接しているので、皆と同じように話しかけています。

タッチセラピーでも言えますが、何年か前に東京都の療育センターでハンドマッサージとフットマッサージのボランティアをしていたことがあって、重度の肢体不自由の方でも必ず「今から触りますね。触ってもいいですか?」と問いかけていました。 いやだと手を引っ込めますし、OK ならそのまま気持ちよさそうに受けていました。

ある日、マッサージ中に「にこーっ」と笑った方が居て、施設の方が「カメラカメラ。母ちゃん喜ぶぞー」と慌てていたので、そんな風に態度や表情で表わしてくれるサインを、小さなサインかも知れないけれど、こちらが見逃さないようにするというのが大事だと思います。
 
💟 伝えていく上で1番大切にしていることはなんですか?

★ 無理強いしない
子どもは(たぶん大人も)「快」の状態で時こそ子どもたちの脳は情報伝達に最適な状態になり、脳の発達が促されると言われています。今その気分ではないとイヤがっている時に「あなたの為になるのだから、じっとしてなさい」と受けさせるのは意味がないもの。楽しくないとオキシトシンも分泌されないですからね!

★ 目の前のお子さんに意識を向ける
以前受講した講座の中で体験したことです。楽しいことを考えながら触っているのか、怒りながら触っているのか、触れられている手を通じて感じたことがありました。タッチする側の人もリラックスして楽しい気持ちで触れること。そのうえで、「晩ご飯何にしようかな」などと考えず、目の前のお子さんに意識を集中するのが大事。 集団でタッチしているとなかなか難しいですが、一人に向き合えるならそう心がけています。

 

 💟 オイルについて

(※)みどりさんの事業所では、アーユルヴェーダの専門家によるオイルマッサージも取り入れているそうです。活動報告ではそのお話もありましたので、オイルマッサージ担当の先生に確認していただきながら、みどりさんから回答をいただきました。

○オイルマッサージの部位
アーユルヴェーダの理論に基づいて、3点マッサージ(頭、耳、足)を基本にしていますが、走り回るお子さんが多いので、滑って転倒するのを、防ぐために、足裏へはオイルはつけていません。また、頭や耳は顔に近いため、慣れてないお子さんなど、ハンドから行うこともあります。
3点マッサージを意識していますが、お子さん達から、様々な部位をやってほしいとリクエストがあることが多いので、そのときには希望通りに対応します(背中やお腹など服に覆われている部位はオイルなしで服の上から触ります)
オイルが体にしっかり影響するのが5分弱と言われているので、1つの部位につき5分くらいやれたらいいと思いますが、お子さんによって実態が違うので目安です。

○ベビーとの違い
アーユルヴェーダ専門職の指導員のもと、太白オイルゴマ油を使ったオイルマッサージをしています。マッサージなので、ベビーマッサージと通じる部分はあるかと思いますが、目的や手法などは微妙に異なるのではないかと思います。

○オイルの量
指先や手のひらにほんの数滴つけて、伸ばして使うことが多いです。
ほんの少しのオイルであれば、吸収されてしまいます。
お子さんによって、たっぷりとオイルを使うのを好む場合、吸収しきれないオイルは拭き取ります。
ただ、拭き取る場合、5分以上置いてからのほうがよいようです。

 

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次回のタッチセラピーコラム
【元気会レポ②】では
みどりさんをはじめ、
各卒業生さん達から届いた現場の声、
親御さんから届いたお子さんの変化など
タッチを受けた子ども達の反応や
変化についてお伝えします!

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