タッチセラピーコラム 10/31|小児タッチセラピストの個人開業についてー方法と心がまえー(後編)
保護者をつねに意識する
小児タッチセラピーの場合、子どもへのタッチ中、保護者は部屋のなかにいてもらうよう促しましょう。主な理由として下記があげられます。
- 保護者の同席により、子どもは安全性を感じます。とくに対人への個人的な境界線を意識していない小さな子どもにとって重要です。
- 子どもはより安心し、リラックスしてマッサージを受けることができます。
- 保護者は、子どもの病歴や気になる点など、重要な情報をマッサージセラピストに伝えられます。
- マッサージセラピストは、セラピーの進捗状況や治療計画の変更について、保護者とコミュニケーションが図れます。
- 子どもと保護者の絆が深まり、関係がより強固なものになります。
- 保護者はマッサージの様子を観察することで、家庭でのサポートやケアを学ぶことができます。またタッチがもたらす利益への理解が、継続的な治療へとつながるでしょう。
問診票を重んじ、常時更新する
タッチをする上で、子ども特有の心身にまつわる情報(ヘルスヒストリー)や問診票は重要です。
適切な治療計画を立てるためにも、必要な情報を得るようにします。子ども向けの問診票について、大切な点は下記です。
文言の簡略化
子どもや保護者が理解しやすい、明確で簡潔な言葉を使うようにしましょう。子どもは医療用語の理解が不十分な場合があるため、問診票の文言を簡略化しましょう。
子どもは、自分が快適だと感じるプロセスや環境に対し、より前向きに取り組むようになります。
小児特有の懸念事項に考慮する
問診票では子どもには特有の健康上の懸念事項に焦点をあてることが不可欠です。
ADHD、自閉症、感覚処理障害などの状態に関する質問の追加も検討しましょう。タッチセラピーに影響を与える可能性のある、心身の課題についてもたずねてみてください。
個人情報を更新する
子どもには、どんなときでも尊重されるべきユニークな個性とアイデンティティがあります。
子どもたちに自身の「ニックネーム」をたずねてみてください。多くの子どもがニックネームを持っているでしょう。なかには、自分の本名を呼ばれるのを嫌がる子どももいます。セラピー中、どのように呼ぶのがうれしいかたずねてみてください。
セラピストが子どもに対して柔軟に対応することは、子どもと信頼関係をきずくために最も重要といえます。
保護者の情報を得る
子どもにタッチをする場合、その保護者に関する情報も必要です。例えば、保護者のお名前はもちろん、子どもとの関係や連絡先などは不可欠でしょう。
親といつでもコミュニケーションができることで、子どもの治療について保護者へ適切に情報提供ができます。
保護者に意見を求める
問診票を変更する前に、保護者や介護者から意見を求めることを検討しましょう。
フィードバックを得ることで、問診票が子ども特有のニーズに合った有益なものになります。
個人開業する場所について
小児マッサージセラピストとして、個人開業する方法についていくつか選択肢があります。
自宅開業
自宅に専用の部屋を作るのは便利です。注意点として、自身のプライバシーや安全上の懸念は考慮するようにしましょう。
自宅以外にスペースを借りる
タッチを行うためには、施術代や触覚を刺激するためのオモチャなど、さまざまなものが必要です。より広いスペースを確保するためにも自宅以外に場所を借りるのも選択肢です。
お住まいの地域で利用可能なレンタルできる箇所(自治体が運営する施設やイベントスーペース)を調べ、ご自身のニーズや予算にあったものを選ぶとよいでしょう。
共同事業の設立
他の小児治療を専門とするセラピスト(例:理学療法士や作業療法士)との共同事業の設立も選択肢としてあるますね。ご自身と同じ立場の方でもよいかもしれません。
他の専門家と協力することで、クライアントに幅広いサービスを提供できます。
コワーキングスペース
シェアオフィスやイベントスペースは近年人気が高まっていますね。セラピーができるような部屋があるスペースもあります。これらは費用対効果が高いのので一考の価値があります。
場所選びの注意点
どんな場所を選ぶにせよ、個人開業する際には、
「費用」「アクセス」「プライバシー」「安全性」などの要因をしっかり調べたうえで検討してください。
個人開業は子どものニーズに応えられる素晴らしい方法です
小児マッサージセラピストは、子どもへの最適な成長と発達をサポートしながら、子どもとその家族の生活に大きな影響を与える存在といえます。
専門的なトレーニングで培われた高品質でパーソナライズしたタッチの提供により、子どものユニークなニーズに応えられる個人開業が叶うはずです!
リドルキッズの卒業生サポートについて
開業や集客、指導内容等、なんでもご相談いただけます
当協会日本事務局がいつでもご相談を受けつけており、ティナ先生への直接の質問も日本語に翻訳して回答させていただきます。指導内容等に関することはもちろん、個人開業や集客についてもアドバイスさせていただきます。
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「リドルキッズ元気会」という卒業生専用のオンライン交流会も発足しています。定期的に卒業生や新規の方をお招きし、活動シェア会や相談会を行っています。ぜひご利用ください。
「リドルキッズ資料館」にアクセスいただけます
国際リドルキッズ協会の「オンライン・ラーニングセンター」内に開設された「リドルキッズ資料館」へのアクセスが可能です。資料館内には、「講義動画」「各種資料」「電子冊子」「手順書」「タッチについての質疑応答」などがあります。ご自身の活動にお役立てください。
再受講の際の割引&サポート活動に無料参加できるチャンスがあります
同じ講座を再受講の場合は、オンライン、対面ともに3割引で受講可能です。ティナ先生来日時に、講座のサポート活動に無料で参加できるチャンスも特典としてあります。
卒業生同士のコラボレーション
卒業生さん同士のつながりも活発です。タッチイベントを一緒に開催したり、ウェブサイトに共同で記事を執筆したりなどの活動報告もあります。お互いの得意分野や資格を活かせるのが良い点ですね。「この卒業生さんを紹介してほしい!」などのリクエストも事務局では承っています。