タッチセラピーコラム 7/4|子どもの”つま先歩き”とタッチセラピー

かわいい?心配?
子どものつま先歩きに潜む危険と
【タッチセラピー】にできること

つま先歩きは、歩き出した幼い子どもによく見られます。

まるでバレリーナを目指しているかのように、つま先立ちで歩き回る時期が子どもにはありますが、これは通常発達過程の一部であり、運動面で発達してくる2歳の誕生日を迎える頃には消えていくことがほとんどです。

しかし、一定の時期を過ぎてもつま先歩きを続けていると、のちにIdiopathic toe-walking (ITW|医学的異常所見を認めない小児の「つま先歩行」)という病名がつき治療が必要になる場合や、発達に影響が出てくる場合もあるので周囲の大人は注意が必要であるとともに、症状によっては専門家に相談するようにしましょう。

つま先歩きは、ふくらはぎの筋肉(主に腓腹筋足底筋)に影響します。これらの筋肉は、長引くつま先歩きによって常に収縮しているため、時間が経つにつれて筋肉が硬く、短くなってしまいます。その結果、アキレス腱の柔軟性が損なわれ、”拘縮”と呼ばれる状態になります。

この状態はふくらはぎだけにとどまりません。筋肉の拘縮が続くことで、やがて子どもの姿勢や動きにも影響を及ぼします。成長するにつれ、膝、腰、背中など、体の他の部位にも不快感や痛みを引き起こす可能性が出てきます。時間が経つにつれ、中足趾節関節(足の指の関節)や指節間関節(足首などの関節)の早期摩耗や損傷を引き起こし、不快感や痛み、運動能力の問題にまで発展する場合もあります。

さらに、つま先歩きは感覚統合障害を引き起こすこともあります。感覚統合とは、触覚・運動・身体認識などの感覚の入力を脳がどのように処理するかを指しますが、この処理のプロセスが乱れると、身体的協調性、バランス感覚、運動能力の発達にも支障をきたすことがあるのです。

 

ここまで、つま先歩きに潜む危険性についてお話をしてきました。

では、状況を改善させるには、どうしたら良いのでしょうか?

 

【小児タッチセラピー】という選択肢

そこで挙げられるのが、小児タッチセラピーです。

タッチを、特に下肢の筋肉に焦点を当てながら施術することで、以下のような効果が見込めます。

① 短縮したふくらはぎの筋肉を狙い撃ちし、柔軟性を高めて伸長を促す

② 筋肉の問題改善だけではなく、患部の血液循環を促進し、その結果治癒と発達を促す

③ 筋肉を伸ばし、血流が改善されれば、軟部組織は骨の成長に追いつくことができ、筋肉や腱が硬くなるのを防ぐ

小児タッチセラピーは、優しい圧と心地よい、滑るような動きが特徴的です。タッチにより子どもが自分の体の感覚を認識し、足の位置を意識するようになることは、感覚のインプットを強化することに繋がります。そして結果的に、歩行の癖を矯正するのに役立つことにもなるのです。


小児タッチセラピストが、長期間つま先歩きを続けてきた子どもを施術することは珍しくありません。子どもによって症状が異なるだけでなく、タッチに対する反応もさまざまであることから、その子に合った治療計画の作成と実施が必須になります。

つま先歩きは、身体のさまざまな部位に影響を及ぼす複雑な問題のように見えるかもしれませんが、タッチセラピーを通して安心で安全な解決策を見出すことができます。心強い選択肢のひとつとして、ぜひ覚えていてください。様々な身体的合併症の可能性がある難しい問題のように見えるかもしれませんが、タッチセラピーと小児マッサージには心地よい解決策があります。心強いひとつの選択肢として覚えておきましょう。

 



 

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