タッチセラピーコラム 9/19|「痛み」を抱える子ども達へ:タッチセラピーにできること

 

 

子ども達が訴える症状の中で
非常によくある「痛み」は、
子どもの生活の質、
日常的な活動への参加意欲、
そして全体的な健康状態
深刻な影響を及ぼす可能性があります。

従来の医療では、
痛みの治療に対してはまず第一に
薬物療法が用いられてきました。

しかし、
タッチセラピーのような統合療法が、
その潜在的な効果から、今注目を集めています

今回の記事では、
痛みを抱える子ども達に対する
タッチセラピー/マッサージの役割について掘り下げ、
痛みが主な症状である5つ小児科診断と、
タッチセラピーが痛みをコントロールできるツールとして
非常に有効であることを裏付けるエビデンスに焦点を当てます。

 


【痛みが主な症状である5つの小児の診断】

○ がん:
小児がん患者は、疾患そのものやその治療によるものかどうかに関わらず、痛みを伴うことがよくあります。研究では、がん治療中の子ども達にマッサージを行うことで、痛みの軽減、不安の緩和、体力の消耗の改善に役立つことが分かっています。

*国際リドルキッズ協会では、
「小児がんの子どものためのタッチセラピー」
及び「緩和ケアタッチセラピー」を学ぶことができます。
(緩和ケアタッチセラピー指導者養成講座は、2025年10月に横浜にて開催予定です)

 

○ 術後の痛み:
手術後、子ども達は急性の痛みを経験することがあります。複数の研究により、マッサージは術後の痛みのレベルを軽減し、鎮痛剤の必要性を減らし、入院期間を短縮できることが示されています。

 

○ 片頭痛と慢性頭痛:
片頭痛と慢性頭痛にはさまざまな原因がありますが、その影響は誰にとっても体力を奪われる辛いものです。マッサージにより、一部の患児の片頭痛の頻度と、その重症度が軽減されています。

 

○ 若年性特発性関節炎(JIA):
以前は、若年性関節リウマチ(JRA)と呼ばれていました。JIAは子どもに発症し、関節の痛み、腫れ、こわばりなどを引き起こします。 これまでの研究により、マッサージは関節炎患者の痛みのレベルを軽減し、可動性を改善することが示されており、JIAの子どもにも効果があることがわかっています。

 

○ 鎌状赤血球症:
この遺伝性の疾患は、赤血球が変形し、痛みを伴う発作を引き起こします。研究によると、この疾患を持つ子ども達にマッサージを行うことで、発作の頻度と痛みの強さを軽減できる可能性があると示唆されています。


【小児マッサージ:患部以外の痛みの緩和】

子どもが痛みを訴えているのを見ると、直感的に患部をマッサージしたくなるかもしれません。ですが、ひとの体は様々なレベルで複雑につながっているため、他の部位にアプローチすることで、痛みの緩和が得られることがよくあります。

 

◆ 関連痛
痛みは、感じられる場所とは異なる場所から生じることがあります。これを関連痛と呼びます。 小児タッチセラピストは、これらの関連痛の部位をマッサージすることで、症状のある部位の痛みを緩和することができます。

 

◆ リラクゼーションと副交感神経の活性化
ストレスや緊張は痛みを悪化させることがあります。タッチセラピーは副交感神経を活性化し、全体の緊張を和らげ、痛みを軽減することができます。

 

◆ エンドルフィンの増加
マッサージは、体内の「天然の鎮痛剤」と呼ばれるエンドルフィンの分泌を促します。これは痛みの部位に直接作用するわけではありませんが、痛みを軽減させられる効果があります。

 


適切なトレーニングと認定を受けた小児タッチセラピストは、痛みに直接対応するのではなく、まずは身体の複雑なつながりや痛みに作用するあらゆる手段を理解した上で、タッチセラピーを用いたバランスの取れたアプローチを取り入れることができます。

タッチセラピーは、さまざまな診断を受けた子ども達の痛みのコントロールに有効な補完療法です。正しい知識と技術を身につけ、少しでも多くの子どもの痛みを緩和できるセラピスト/専門家が増えることを願ってやみません。

 


 

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