タッチセラピーコラム 9/26|集中力や注意力も引き出せる、正中線を越える動きのタッチの力
「正中線」とは、ヒトや動物など生物の前面もしくは背面の中央をまっすぐ通る線です。
3歳から4歳になると身体の両側を同時に使う動きを習得します。
この動きを「正中線を越える動き」と呼びます。
片方の「手、足、目」を、もう片方の「手、足、目」の位置に動かすことができる能力のひとつです。
さらに詳しく知りたい方はこちらの投稿もご覧くださいね。
▶︎▶︎▶︎「正中線を越える動きと重要性」
正中線を横断したり、脳の両半球に働きかけるタッチセラピーの技術は、注意力や集中力の向上に働きかけます。その効果はとくに小児へのタッチに対して顕著です。
正中線を越えるタッチの効果
①脳の両半球を覚醒させる
身体を左側から右側(もしくはその逆)に横断するタッチの技術は、脳の左半球と右半球の両方に働きかけます。
左半球は主に論理、言語、分析的思考をつかさどり、右半球は創造性、空間能力、感情表現をつかさどります。
タッチセラピーで両半球を同時に刺激すると、より広範囲の神経結合が刺激され、認知機能、創造性、問題解決能力を向上できるのです。
②脳梁を刺激する
脳梁は、両脳半球をつなぐ幅広い神経線維です。
脳梁は両半球間のコミュニケーションを促進し、両半球が調和して機能させるのです。
正中線を越えるタッチセラピーは、脳梁の機能を刺激し、両半球間の協調性を高めることができます。
これにより子どもたちは、論理的思考と創造的洞察力を組み合わせ、より総合的に情報を処理する能力を高められる可能性があります。
③運動協調性と空間認識の向上
正中線を越える動きは、子どもの運動能力と空間認識という課題への挑戦でもあります。
時間をかけて一貫したタッチセラピーを行うことで、運動能力と空間認識が磨かれ、身体意識が向上します。
字を書いたり靴ひもを結んだりするような、身体の両側の動きを必要とする作業がとくに効果的です。
④神経可塑性を高める
神経可塑性とは、生涯を通じて脳の神経結合を再編成し、新しい神経結合を形成する能力です。
タッチセラピーにより両脳半球に働きかけることで、神経可塑性が促進され、脳の適応性と回復力が高まります。この適応性は、学習、記憶、認知の柔軟性にとって極めて重要です。
⑤注意力と集中力の調整
正中線を越える動きは、子どもたちにとって特に重要です。
正中線を越える動きにより、注意力を今この瞬間に向けさせ、子どもたちの身体に固定させるような状態をもたらします。
身体への意識が高まることで、目の前の課題に集中できるようになり、注意散漫になりにくくなるでしょう。
まとめ
このように正中線を越える動きのタッチは、とくに子どもの注意力と集中力を高めるという点で、深い効果をもたらします。
両脳半球に働きかけ、脳梁を刺激することで、認知の調和を促し、子供の神経構造を強化する。
そして学業や個人的な成長を高める基礎を築くのです。
つまり子どもたちの発達をサポートする上で、非常に重要なタッチの技術のひとつと言えるでしょう。
ぜひご自身のタッチにも取り入れてみてくださいね。
▶︎▶︎▶︎「正中線を越える動きを促す、具体的な活動例」