《ティナ先生からの特別メッセージ》タッチセラピーコラム 特別版|トラウマの【見え方】を広げる

 
\5月の対面講座は札幌❣️/

大きな出来事だけではない、子どものトラウマ

「子どものトラウマ」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは、自然災害、身体的・性的虐待、大きな事故、親の死など、明らかで否定しようのない深刻な出来事でしょう。

もちろん、これらは間違いなくトラウマとなる体験です。

けれど、あまり知られていないのは、子どものトラウマにはもっと多様な形があり、しかもその多くは外からは見えない傷として残るということです。

子どものトラウマは、出来事そのものではなく、【その体験をどう受け止め、どう処理できたか】によって決まります。
同じような体験をしても、ある子はうまくやり過ごせる一方で、別の子は心に深い傷を残し、大人になってもその重荷を抱え続けることもあります。

たとえば、慢性的な感情的ストレス、拒絶される感覚、つながりの欠如、孤独、聞いてもらえない経験の繰り返し
感情が無視されたり、親が感情的に不在だったり、過度に批判的だったりする家庭で育つことは、深い不安感や感情的な痛みを生み出します。
そういった心の傷は、やがて不安障害やうつ、人間関係の困難、感情表現への苦手意識、信頼の欠如につながることもあります。

日本の子どもたちが抱える”負荷”と、その影響

日本では、社会的なプレッシャーが大きく、子どもたちは幼い頃から大きな期待を背負っています。
学業の重圧、いじめ、社会的孤立(ひきこもり)、感情を出せる場の不足などが、子どもの心や感情に大きな影響を与えています。

昨今特に多く見られるようになってきたのが、不登校という現象です。これは、心の不調、いじめ、学校という環境に違和感を感じることなど様々な要因から、子どもが学校に行けなくなる状態。
単なる「わがまま」「反抗」ではなく、心の叫びであり、サポートを求める静かなSOSなのです。

さらに近年は、子どもや若者の自殺が増えているという、非常に深刻な現実があります。
自殺は突然起きるものではありません。そこには何ヶ月、時には何年にもわたる心の苦しみ、孤独、「見えない・わかってもらえない」という感覚が積み重なっています。

そして、亡くなった子ども本人のトラウマだけでなく、それを見送った家族、友人、教師…残された人たちにも深い影響を及ぼします。
彼らはしばしば、無力感・罪悪感・混乱に襲われ、“第2のトラウマ”を抱えることになるのです。

 

トラウマタッチセラピー講座を通して、私たちに出来ること

国際リドルキッズ協会では、明らかなトラウマだけでなく、【子どもたちが静かに抱える 目に見えない痛み】にも気づき、寄り添える力を、保護者・教育者・医療従事者・地域の支援者に届けていきたいと考えています。

トラウマタッチセラピー指導者養成講座は、単に【タッチセラピーという技術】を教えるのではなく、トラウマの感情的な背景を深く理解し、子どもが“安心・落ち着き・つながり”を感じられる方法を学ぶ内容です。

「タッチ」は、子どもに尊重と同意、共感をもって届けられるとき、
神経系を整え、不安を軽減し、“自分の身体の中に安全を取り戻す”力になります。

私たちが大切にしているのは、タッチを“してあげる”のではなく、“一緒に”体験すること。
子どもが自分のペースで受け入れられるように、パートナーシップの感覚で行います。
この姿勢こそが、子ども自身が「自分とのつながり」「他者とのつながり」を取り戻す第一歩になるのです。

トラウマはいつも“声をあげる”とは限りません。
時には、とても静かに潜んでいます。
たとえば、「自分が見えていない」と感じるとき。
「気持ちをうまく出せず、重圧に押しつぶされそうなとき」。
そんな静かな痛みを抱えた子どもたちにも、もっと目を向けていく必要があるのです。

大きな出来事を生き延びた子どもたちだけでなく、
誰にも見えない静かな痛みを生きている子どもたちを支えるために――
私たちは、トラウマの「見え方」をもっと広げていきたいのです。

 

◆トラウマをもつ子どもへのタッチセラピーを学びたい方へ

【2025年対面開催】
トラウマタッチセラピー指導者養成講座

① 札幌会場|2025年5月17日-18日(詳細をみる)

② 京都会場|2025年10月11日-12日(詳細をみる)