タッチセラピーコラム4/2| 感覚過敏の子どもにタッチをはじめる7つの理由

感覚処理に難しさを感じる子ども

感覚処理に困難を抱える子どもたちは、どんなに優しいタッチでも強く感じたり、どんなに静かな音でも耳をつんざくように感じる世界に生きています。

彼らが受け取る感覚の情報は、ときに混乱を招いたり、強すぎたりして、日常生活に支障をきたすため、彼らの成長や学習に影響をおよぼすことがあるのです。

ブランコやすべり台、シーソーが、まるで予測不可能な新しい冒険のように感じられる遊び場。また蛍光灯の明滅や紙のカサカサ音により、常に気が散ってしまうような教室を想像してみてください。

彼らが置かれた状況が、少しは理解できるでしょう。

感覚過敏の子どもたちへのタッチの影響

タッチを通じて、子どもたちは少しずつ、さまざまな感触や圧力や動きに触れ、自身の感覚入力を調整できるようになります。

タッチにより、単に触覚的な体験だけではなく、しばしば混沌を感じる世界において、信頼を築き、理解を深め、予測可能性を感じることにつながっています。

また、感覚処理に問題を抱える子どもたちは、自分を取り巻く環境に対し、より積極的な相互作用を形成できていくでしょう。

これらにより、子どもたちの運動能力の向上、協調性の向上、社会的相互作用の改善につながります。

子どもたちは、友だちからの背中への軽いタッチやハイタッチなどを我慢する能力を習得するだけではなく、自らの手を伸ばしてまわりの世界を探索する自信を身につけられるようになるのです。

タッチがおよぼす7つの力

①コミュニケーション力の向上

タッチという非言語的なつながりと表現手段を提供により、コミュニケーション能力を向上させられます。とくに自閉症の子どもたちにとってその効果は顕著です。

②ポジティブな行動の促進

タッチセラピーを取り入れることで、子どもたちは個人の習慣や感覚処理においてポジティブな変化を示し、混乱を引き起こすような行動が減少する可能性があります。

③発達の促進

研究によると、タッチは子どもの成長と発達を促進するために重要な方法であり、健康的な成長に不可欠な触覚刺激を補うのにのに役立ちます。

④つながりを築く

触れることでエンドルフィンが分泌され、つながりの感覚が生まれ、感情のコントロールや社交性の向上につながります。

⑤感覚統合の改善

感覚処理に問題がある場合、専門的な環境でのタッチは、感覚情報を効果的に処理するための必要なスキル身につけるのに役立つ可能性があります。

⑥深圧の効果

深く圧をかけるタッチは、自閉症の子供たちにとって、不安の軽減や全体的な感覚統合の改善などの効果が認められています。

⑦エビデンスに基づく成果

研究によれば、親が提供するマッサージなどのタッチは、感覚処理の問題を抱える子供たちの触覚と感覚障害を減少させるのに効果的であることが確認されています。

子どもたちの成長のためにぜひタッチを

包括的な発達プログラムの一部としてタッチセラピーを取り入れることは、子どもたちの独特の感覚ニーズに対処するための侵襲の少ない、心地よいアプローチを提供します。

そして、よりバランスのとれた感覚体験と生活の質の向上への道を開くことができます。

成長していくにつれ、子どもたちは、単にさまざまなことに対処をしていくだけではなく、ちょうどよいと感じる感覚体験の基礎を築きながら、成長を学べるでしょう。

したがって、タッチは単なる治療ではなく、子どもたち一人ひとりの個性を尊重し、彼らの可能性を最大限に引き出す手助けできるプロセスとも言えます。

ぜひ子どもたちの日常にタッチを取り入れてみてください。