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卒業生活動インタビュー【湯川智子さん】

湯川さんは和歌山で看護師をしながら、タッチケアを普及させる活動をしています。湯川さんの活動により、「保健室で行うタッチケア」を導入する取り組みが和歌山県の小中学校で広がりをみせています。

 タッチをはじめたきっかけを教えてください。

5年前に重症児者病棟に勤務したのがきっかけです。

重症児者病棟で勤める前に産婦人科小児科にいました。そこでは産後1,2ヶ月したら、お母さんが赤ちゃんをベビーマッサージに連れて来られ、そういうあたたかい光景を当たり前に思っていました。

けれども、転職した重症児者病棟での環境の違いに驚いたんです。幼いお子さんが家族と一緒に過ごす時間や面会がほとんどなかったり、生後すぐから入院している子も居て、だいたい2歳くらいまで入院している子が多かったです。吸引や注射、チューブ類の交換等で肌への不快な刺激を経験しており、触れるだけで緊張するお子さんも居て、手のぬくもり、心地良さを知ってもらえるといいなと思って、ベビーマッサージを学びました。

けれどもベビーマッサージでは触れると緊張が強くなったり、揺らしたりする手技もあったので骨折しやすいお子さんにはリスクがあるように思いました。入院中の疾患をもったお子さん方のためのタッチがないものかと思っていたところネットで、ティナ先生を知って受講するに至りました。

 今、どんな活動をしているのですか?

勤務中は忙しくタッチケアをする時間がなく、せっかく学んだ良いものを使えないジレンマがありました。現在は重症児者病棟を離れ、クリニックに務めながら、タッチケアの講座等をしています。

 保育所、幼稚園、子育てサークルでの親子対象、小中学校で養護教諭対象の講座や、母子保健推進員やファミリーサポートセンターで、お子さんに関わる方への講座もさせていただいています。

また、重症児者施設や訪問看護ステーション、脳外傷の家族会でもお話させて頂いています。

他には定期的に月に1回、中学校の保健室でタッチケアをさせてもらっています。生徒さんだけでなく、先生も喜んで受けに来て下さいます(笑)生徒さんの付き添いで学校に送りに来られているお母さんにもしたいんですけど、いいですいいですって遠慮されるので、いつかお母さんにも出来たらいいなと思っています。近隣の小中学校ではタッチケアが広がりつつありますし、いくつかの保健室にはすでにタッチケアが取り入れられています。

小学校の保健室では、休憩時間になったら子ども達が「背中にハート描いて」と来るそうです。また、養護教諭の研修で「震災時の子どもへのタッチケアを知りたい」というご依頼がありました。

子どもたちの心の安定につながっていくことが期待されますので、学校でタッチケアを取り入れることは大きな意味のある取り組みだと思います。
今はどちらかと言うと幼稚園や学校での活動が多いですが、触れる事が良いと広まれば医療ケアの必要なお子さんたちにも届くと思います。

タッチケアをしていて嬉しかったこと、良かったことはなんですか?

重症児者病棟でタッチケアの看護研究をしました。その際には優しく触れると笑顔がみられたり、温かくて気持ちいいと喜んでもらえ、緊張の低下、痛みの緩和、心拍数の低下等も心身に良い影響が見られました。面会にいらしたご家族には、触れたり手を撫でたりする方もいらっしゃいましたので、そういう方に「こういう触れ方もありますよ」「この触れ方はこういう効果がありますよ」ということをお伝えしていました。

「私にも出来ることがあるんだ」とか「入院中にそんなことしてもらってるんだ」と言ってご家族が喜ばれるのは嬉しかったです。

以前に緊張の強いお子さんがいて、触れると緊張が強くなるので触れられないと仰っていたお母さんがいました。その時はどう対応すれば良いのかわからず無力感を感じました。タッチケアを学んだ後は、重症児のデイでお子さんとお母さん対象に講座をした際に同じ様に緊張が強いお子さんには、触れる部位や圧など工夫したり、お母さんと一緒に考えることが出来ました。苦手な部位だと思っていたけど触れ方で、大丈夫なんだと体感してもらえ嬉しかったです。

触れられて気持ちいいと表現してくれる事はもちろん、私も触れていてとても癒されます。

 

湯川智子さんのブログ
https://ameblo.jp/rarararara-mint/