卒業生活動インタビュー【鶴田里美さん】

東京・千葉を拠点に、発達障害・脳性麻痺児の多動・筋緊張を改善するタッチセラピー教室を開催しています。その教室が大人気で、最近は首都圏のみならず全国各地で出張講座を開催しています。

グループレッスン、プライベートレッスンを行うかたわら、発達支援施設にもタッチケアセラピストとして関わっています。

タッチをはじめたきっかけを教えてください。

娘に障害があって、日常生活で困ることも多く、すごく子育てがしにくいなと思っていました。

その時にいろいろな習い事をしましたが、続けられたのはベビーマッサージだけでした。

どこに習いに行っても、体を自由に動かすこととかが他の子と同じようには出来ないので、続けると言うよりも、始めること自体、ハードルが高かったのです。

けれどもベビーマッサージだけは、そこにはすごくたくさんの効果というのはあるのだけれども、やることはすごくシンプルで、ママが触るだけなので、家でも簡単に出来ました。これだったら出来る!と言うよりはこれしか出来ないなと思って娘が5ヶ月の時から続けていました。

けれども、ベビーマッサージって、健常の子向けですよね。

娘は過敏さがあって手をつないで歩くことも出来なかったし、歩けるようになったのは2歳過ぎてからでしたから、「筋力アップ」と言われても、じゃあどうしたらいいのかもわからない。

2歳過ぎても歩けない子に対して、普通のベビーマッサージをやっていても結局違うんだろうなと思っていました。

そんな時に見つけたのがティナ先生の講座だったのです。

ティナ先生のタッチは今までやっていたベビーマッサージと比べて、新たな発見がたくさんありました。“触れる”と言うこと自体は何も変わらないのですが、触れ方や手を動かす方向によって、確かに子どもの身体が変わってきたなとか言うのは、習った後にいろいろ試してみて実感したことです。

娘は緊張が強く、身体にぎゅーっと力を入れていて、膝が曲がらなかったんです。

オムツを替えるのに足を曲げてくれたためしがなくて、ピーンとなった足をひょいと上に上げてお尻を拭いていたのですが、それがティナ先生のタッチで緩んで膝が曲がるようになり、「あー、こうしたら緩むんだな」っていうのを実感しました。

それと、娘は手をつなぐことが出来なかったんですが、ティナ先生の講座を受講したあと、自分の子どもに合うようにアレンジしていろんなタッチをしてみたら、3ヶ月か4ヶ月かかりましたが、手がつなげるようになりました。保育園の遠足で娘とペアになった子が「○○ちゃんが手をつないでくれない」って泣いてしまって、これはちょっと困るなと思っていたのですが、タッチを続けていたらその後の遠足ではお友達とも手がつなげるようになっていました。

最初は小児タッチケアしか受けていなかったので、過敏さがある娘に触れるには少し工夫が要りました。長く触れるためにはどんな風にタッチをするのがいいのか、一番身近にいる娘に試行錯誤しながらいろいろと試してみました。

昨年やっと自閉症のタッチケアを受講して、私は娘にこんな風にタッチをしてきたけれど、ティナ先生はどんなふうにするのかなと思っていたら、ティナ先生の方法は、私が娘にしていたのと同じ方法でした。

いろいろ試しながら自分でアレンジしていた過敏さがある娘へのタッチの方法と、ティナ先生に教えてもらったことが数年後に一致して、去年自閉症の講座を受けたときは「あ、間違ってなかったんだ!」ってちょっとぞわぞわってしました(笑)

今、どんな活動をしているのですか?

月に3~5組のプライベートレッスンをしています。

それから、非常勤のタッチケアセラピストとして、週3~4日施設でタッチケアをしています。

今は児童発達支援施設2ヵ所と放課後等デイサービス1ヵ所、あとは不定期で重度心身障害児施設2カ所で子どもたちに関わっています。

タッチケアをしていて嬉しかったこと、良かったことはなんですか?

タッチケアはすごく即効性があって、目に見える効果としては、多動でずっと走り回っている子が、タッチを始めてしばらくしたらぴたっと多動が落ち着いて、ごろんと寝転んで動かなくなったりするんです。

多動がひどい子の方がより効果が現れやすいと感じます。

肢体不自由の子は、緊張が強いのがほぐれて呼吸がだんだん深くなってくるんです。

「あ、深くなったね」って言う瞬間が、「今、全身リラックスしてるんだなぁ」と感じて嬉しくなりますし、なによりお子さんがそういう状態になるとお母さんがすごく喜んでくれるんです。

タッチケアは、お子さんだけじゃなくてお母さんの支援にもなっています。

お母さんが日常生活で困ることって、なかなか理解してもらえなくて、相談する場所が全然ないんです。

私は自分の子どもに障害があったことで、すごく悩んだりしていた時期とかもあったので、そういうお母さんの日常生活に寄り添えることがとても嬉しいと感じています。

娘については、発語もすごく遅くて、今やっと会話らしいことができるようになってきたなって感じなのですが、お友達と手をつなぎたいなという時には、全然しゃべれないのにそういう時だけは必ず「手つないでいい?」ってちゃんと相手の意思を確認するんです。それは私が「タッチしていい?」って声かけを徹底してやっていたことが、娘にちゃんと根付いているからこそだと思います。

あと、スキンシップなので“目を見て”っていうのをずっと続けていたんですけれど、それも多分健常のお子さんよりもしっかり出来ていて、顔をしっかり見るから必然的に挨拶をするんです。

他のことは出来ないことも多いけど、そういう本当に基本となるベースのところを教えてあげることが出来たかなあと思っています。

娘は多分オキシトシンすごい分泌しているんです(笑)「この子ずっと分泌してるんだろうな」って言うくらい、いつもいい状態で、体調が悪い時以外は常に穏やかだし、そういう面では出来ないことが多くてすごく大変なんだけど、気持ちの面で「あー、この子の子育て大変だな」って思う事はあんまりないです。

タッチってすごいなって思います。

 

鶴田里美さんのブログ
https://ameblo.jp/manea-babymassage/