卒業生活動インタビュー【田中照美さん】

千葉県で自宅の1階を「Tree House」として地域のコミュニティ作りのために開放しています。

地域全体で子どもたちの健やかな成長を見守ろうと、数々の活動の中心的な存在としてひっぱっています。笑顔と笑い声でまわりの人を元気にするパワフルな方です。

タッチを始めたきっかけを教えて下さい。

タッチを始めたきっかけは次女の病気です。
次女には先天性の腸の疾患があって、生後3ヶ月の時に入院をして手術をしました。全身麻酔なので術前もおっぱいを飲めないし、術後は動かせないからと抱っこさえも出来ませんでした。「私母親なのに何も出来ることがない」と自分の無力さを感じながら、娘の顔や足をただ撫でていました。沐浴出来るようになったら、単にきれいにすると言う事だけではなくて、意識して触れるということを本能的にやっていました。

そうすると、お腹が空いて泣くは泣くんですが、ものすごく泣くと思っていた割にはそんなに泣かなかったんです。おっぱいを飲み始めたときも腸の回復がすごく早くて、お医者さんも「すごいね、この子」と言ってびっくりするくらいでした。

退院してから、触れていたことって何か意味があるのかなと思って調べてみたら、どんどん裏付けされて、「なんかタッチってすごい」っていうのは、実体験としてわかっていました。次女の入院がなかったらそこまでは興味を持たなかったと思います。

娘が日常生活に戻ってしばらくしてからも「母親って無力だなあ。子どもが入院したときに何も出来なかったな」という思いが自分の中に残っていて、まずベビーマッサージを検索しました。その時にリドルキッズが出て来て、「自閉症」と言うキーワードの方がひっかかってしまって。私、もともと福祉関係の仕事をしていたので、「自閉症児にタッチって、え?触るの?」って驚きました。

他にもティナ先生の講座はいろいろ興味深い講座をやっていて、病院に入っている子どもにもタッチできるんだと思ってそこからタッチを学んでみようかなぁと思ったのがきっかけです。

ティナ先生の講座を受けてみたら、自分の中で思っていたことがどんどん裏付けされて、「だから体重が増えたんだ!」とか「だから痛みとか不安がなくて泣かなかったんだ!」とか私がやっていたことはやっぱり合っていたんだ!とわかって、鳥肌ばっかり立っていました(笑)

今、どんな活動をしているのですか?

自宅の1階を「Tree House」として地域に開放しています。そこで、子どもたちやママたちのために、いろいろなイベントや教室を開いています。また子ども食堂や千葉市との共催事業である「わかばCTBこどものまち」を立ち上げて地域の子どもたちに広く関わっています。最近は赤鼻をつけて、ケアクラウンとしての活動もして、タッチを大いに役立てています。

今は触れることにすごく特別感がありますが、ベビーマッサージやタッチケアを勉強して、すべて理論とかも教えていただいて1周回って思う事は、やっぱり「触れることが特別になってはいけない」ということなんです。生活とか育児の中に当たり前にベビマとかタッチがあるっていう状態、それが本来の目指すべきところじゃないかなって思っています。私はそこを根底に持って、例えばこども食堂に来てくれた子どもたちには必ず帰るときにハイタッチをするとか、お友達と喧嘩したときに背中をトントンしてみたり。日常生活の中で、ハグとタッチが特別なことではなくて本当に基本的なこととして存在してほしいと思い、地域の中で広げています。

もちろんそれは理論が入っているからこそで、なぜそうするのかという理論を知ってるだけでかなり育児とか生活の場面っていうのは変わってくると思うのです。

例えば学校から帰ってきて「おかえり」って言葉だけでなくて、理論を知っていたら「おかえり」ってハグが出来ますよね。子どもが成長痛で「足が痛いんだ」って言う時にも、「どうしたんだろうね、でも多分成長痛だから寝れば治るよ」で終わるところを、タッチの理論を学ぶだけで、ちょっと手を当ててあげることができますよね。理論を知っていれば、ママも出来ることってものすごくいっぱい増えるんです。

だから、地域のママ達に向けて、その部分を発信したくて教室をやっています。手技を教えることが目的なのではなくて、「知っているだけで使えるから」「知ったら使わなきゃ損だから」と、タッチを日常生活に落とし込んでもらうということを楽しく伝えています。

Tree Houseではいろいろなイベントをしていて、例えば新生活に飛び込んでいく新入生新入園児たちをタッチで応援したいので、春休みにはキッズタッチのクラスをしています。
英語教室でもタッチを取り入れています。それも「聞いて覚えるよりも、聞くことにタッチをプラスすると学習能力が上がる」と言うことをティナ先生がキッズインコンタクトの時に教えてくれたからです。じゃあ英語とタッチを組み合わせよう、リトミックにもタッチを入れようと、とにかくTree Houseで行われるいろんなコンテンツにタッチをどんどん取り入れています。
レッスンを組む時に先生と私でまずレッスンをして、どこの部分でタッチを使えるか考えて、それを先生にやっていただいています。英語のクラスではtoday’s weatherの時に「rainy」といいながら背中に雨を流して行く雨のタッチとか、「sunny」だとお日様のタッチをするとか、リトミックだとうまくいったときは必ずハイタッチしようねとか。

お子さんとママ、お子さん同士、お子さんと先生のタッチをしていると、クラスの空気も凄く良くなるし仲間意識とかお互いの信頼関係とかがものすごくできてくるんです。先生たちもびっくりしています。

先生たちはTree House以外でも教室を持っているのですが、他ではタッチはしないから、Tree Houseの教室はすごく楽しいし、本当に可愛いって言ってて、それはやっぱりタッチの効果だと思います。

タッチケアをしていて嬉しかったこと、良かったことはなんですか?

地域の中でスキンシップが当たり前になってきたことが本当に嬉しいです。
2013年にティナ先生の講座を受けてから始めたので、ようやく日常生活の中に当たり前にハグが存在する地域になって来て、それこそタッチをしていてよかったと思うことですね。私がタッチの良さを知っているから、いろんなところでハグをしています。

「子供食堂につNAがRUマルシェ(つながるマルシェ)」っていうのを応援団のママたちがやってくれていて、そこに来てくれた人に「ありがとう」とか「お疲れ様」って外国人並みにハグしているんです。最初の頃は、私がささいなことでもすきがあればハグしていたんですが、それが最近私抜きのママたちのコミュニティの中でも広がってきました。今は私が居なくても、ママたちみんなハグしています(笑)ママ同士がわーって言いながらハグしているのを見るとものすごく幸せな気分になります。

「つNAがRUマルシェ」をやってくれているお母さんたちは、いつも笑ってるわけじゃないんだけれどもキラキラしていて、自然にみんなで助け合える空間があって、そこにいるお母さんたちってやっぱり地域で悶々と子育てをしているお母さんたちから見るとすごく憧れの存在というか「いいなー」って思える存在だと思うんです。

そこで私もああいう風になりたいと思ってくれるお母さんたちが、今度は子どもを連れてTree Houseなりどこかのコミュニティに来てくれた時に、「子どもも一緒にハグしちゃえ」みたいな感じでみんなが本当に優しく包み込んでくれるので、悶々として1人で孤独を抱えていたお母さんが笑顔になって帰っていって孤独な子育てから脱出できる。タッチは本当に孤独から抜け出すというか、仲間になるっていうか、そんなツールになっています。

また、こども食堂をやっているとこどもたちには毎回感動します。最初、貧困の子どもとか孤食で1人でご飯を食べている子どもをどうにかしたいという目的を持ってこども食堂を作ったのですが、始めてみたら別に問題がない子どもたちも来るんです。

その子たちの意識っていうのがものすごくって、小学生なのに「ここってすごく楽しいから、ご飯が食べられなかったり1人でご飯食べている子どもたちも来たほうがいいよね。だからてるちゃん、うちのクラスの○○君と○○君を誘いたいんだ」と言って、開催日を書いた小さなカードを用意しているんですけれど、子どもたちが○○君に渡したいんだって言って持って行って「トモ飯(友達同士でご飯を食べること)しようよ」というノリで連れてきてくれるんです。

「あの子いつも歯が磨けてない」とか「昨日もおんなじ服着てたんだよ」とか、「あいついつも朝ご飯食べて来ないらしいよ」とか、それって地域の大人ではどうしても拾い切れないところなんです。子どもたちが一番周りの状況をよく見ています。見て見ぬふりをする大人がこんなにいっぱいでいる世の中で、この子たち本当にすごいなって感動します。「今度授業参観あるから先生に言って貼ってもらうね」って言ってくれたり、こども食堂新聞書いて持ってくる子もいます。

ここでこういう活動ができることが本当に幸せ。子どもから教えてもらうことばかりです。
最初は私から発信したことを、私が種まきだけしたらみんなが水をあげて愛を注いでくれて、今はそれが伝染して伝染して人を介して当たり前に日常の中にタッチやハグがこの都賀の街にありふれています。地域全体で子どもたちを育てていける、そんな楽しさを教えてもらえることが喜びというか、本当に幸せです。

 

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