卒業生活動インタビュー【藤森史子さん】

タッチケアセラピストとして東京で活動しています。教室を開いてタッチケアを広めるかたわら、グループホームや緩和ケア病棟でアロマハンドトリートメントのボランティアをしたり、児童館や支援センターでタッチケアの講師をしてます。

タッチをはじめたきっかけを教えてください。

息子の病気がきっかけです。息子が長い間入院して医療ケアを受けていたのですが、その時には自分の息子なのに、投薬したり医療器具がついている病気の子どもにさわっていいのかどうかすらわかりませんでした。それまでは健常の大人に対するボディケアの仕事をしていて、病気の方は禁忌であり施術できないということになっていましたから。

そんな時に、息子が入院していた病院にティナ先生がたまたまボランティアに来て下さって、「さわっていいんですよ」って言われて、「さわってもいいんだ!」って思ったのが最初です。

ティナ先生とのあの日の出会いが私の生き方を変えました。

息子にさわってもいいということがわかったことも大きかったのですが、家族をつなぐことに対してもタッチケアは有効でした。家の中に病気の人が一人居ると、家族が一丸となって絆が深まる家族と、みんながいっぱいいっぱいになってバラバラになる家族が居るのですが、うちは後者となるところでした。タッチケアを知って、夫にもタッチをすることで家族の雰囲気も和らぎ、危機は回避することが出来ました。

今、どんな活動をしているのですか?

一つはタッチケアの教室を開いています。教室は大きく2つに分けていて、1つは発達障害のお子さんのため、もう1つはそれ以外の人、医療ケアが必要な方や、障害のある方のための教室です。

教室に来られるのは親御さんと支援員さん、保育士さん、先生、看護師さん、鍼灸師さん、セラピストなどの専門職の方が半々くらいです。1回5時間なので、親御さんだけに来ていただいて、しっかりと話しを聞いてもらって、おうちに帰ってお子さんにタッチケアをしていただくようにしています。教室では3分の2くらいの時間は実技をしています。

それから、発達障害に関しては、発達凸凹アカデミーというところでタッチ&アロマケアを担当させていただいています。

それと小学校でサマースクールを行っています。4年くらい。そこで「アロマトリートメントします」と言って集めると、いっぱいになるんです。アロマと言うと子どもにも受けが良くって、男の子も来ます。子どもたちはアロマ大好きで、人気があるんですよ。で、アロマで集めておいて、人にふれることのお話しをメインに話しています(笑)。

子どもたちはすっごい吸収がいいから、素直に聞いてくれます。その中で必ず話すのが、五感の発達の順番について。触覚から始まって、最後衰えるときも触覚ですっていう話しをすると、それを覚えていた子がまた次の年にワークショップに来てくれたりして、親御さんから「おじいちゃんやおばあちゃんの病院に行った時に、この子その話しを覚えていて、すぐに側に行って手を握ったりしてるんです」って話しを聞くと「あー、やっててよかったな」って思います。話しを聞いてくれた子どもたちが、家に帰って、お父さんやお母さんにその話をしながらタッチをするとか、おじいちゃんおばあちゃんにするとか、広がりを持ってくれたらいいなって思ったので、その点ではすごい成功してるって思います。人が人にふれて育むことを意識するのは親になってからの話しじゃないじゃないですか。でも、ふれあうとか、育むとかいうのは、ちっちゃいころのほうが素直だし、すっと染み込んでいきますよね。

タッチケアをしていて嬉しかったこと、良かったことはなんですか?

すごくいっぱいあります。

息子との関係で言うと、病気をしたことによって、「だから大事」というのとはちょっと違う、「本当に息子のことが大事、一人の人として見られるようになった」っていうのが大きいと思います。そこは自分の中でもはっきり違うなっていうのがわかります。

ただ単に病気をした子だから可哀想だから可愛いっていうのではない感情って言うのは、タッチケアをやらないとたぶんわからなかったと思うんです。息子は今中学2年なので、タッチケアみたいにゆっくりさわるとかなでるっていうのは大分前に卒業して、今はスポーツマッサージみたいにちゃんとほぐすということをしています。でも、毎日はさわっています。

夜は息子が「疲れたからマッサージしてくれない?」って言った時だけ。だけど朝は決まり事っていうか、お互いのなかで決まっていることなので毎朝。起きないから、足をぽんぽんってやると脚が伸びてくるので、脚を揉んで起こすって感じです。年々息子からのリクエストが減ってくるので、これが普通なんだろうなあ、本当にだんだん減るんだなと思って。やってもらいたい時に自然に言える関係がいいかなって思っています。

タッチケア教室に関して言えば、私が何年もかかってすごくいいなと思ったことを、たった1回私の話を聞いて家でやっただけで、ストーンと入る人たちが中には居るんですね。

例えば本当に心の底でつながっているのだろうかっていう疑問が、ふれたらすっと無くなっていくという人もいるし、やっぱりつながっていたんだっていう親子の信頼関係を再認識したり、不安っていうようなものがなくなったりとか。

今までタッチケアなんて知らなかったのに、人にふれることがすごくいいことだっていうことがすぐに伝わる人たちが結構居て、そういう感想をもらうと、やってよかったなって思います。

それぞれ生活スタイルや価値観が違うので、私の話を聞いてどこが響くかっていうのは人によって違います。心のつながり的なところを思う人もいるし、実際に医療ケアを受けていた方で、今まで気になっていた症状がなくなってよかったって人もいるし、自分を見直す方もいらっしゃったり。いろんな受け取り方があるんだなあってことは思います。

どんなふうに育てられたかっていうバックグラウンドがみんな違うから、受け取り方も様々だし、やり方も様々になります。でも講義の後は、みんな「帰ってはやくこどもにやりたいです!」って言ってくれるので、それは本当に嬉しいです。

 

藤森史子さん

HP
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発達凸凹アカデミー
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